臨床サービス
当オフィスでは「精神分析的心理療法」と「心理カウンセリング」の2つの臨床サービスを提供しております。
こころの相談に対して、より内面的な部分に触れ、自分自身を「変化させていく」ために行うのが「精神分析的心理療法」になります。それに対して、精神分析的理論や臨床心理学の知見に基づいて、問題の現実的な対処を検討していくのが「心理カウンセリング」になります。
初回面接の際に、どちらかに決めていらっしゃる必要はありません。どのような方針で取り組むかは、初回面接やアセスメント面接の中で相談して決めていきます。
上手く話さなきゃ、整理して話さなきゃと思う必要はありませんのでご安心ください。お話しやすいところから、自由にお話していただくのがよいと思います。
それぞれの臨床サービスの違いについては以下の内容をご参考にしてください。
精神分析的心理療法
― 精神分析とは ―
精神分析的心理療法とは、19世紀末頃にS・フロイトによって創始された『精神分析』という臨床実践の理論や介入方法に基づいて行われる心理療法です。
フロイトは、人の生きづらさや症状の背景に、その方の「無意識」的なとらわれ、過去の(重要な)人物との「関係性」の反復(転移)が影響していることを見出しました。こうした問題から自由になることを精神分析的心理療法では目指していきます。
精神分析的心理療法が実際にどのような形で行われるかについて、ご説明していきます。
― 自由に話すこと ―
クライアントの方は、ソファ#1に腰かけていただき、思いつくことを自由に話していただきます(自由連想法)。こころに浮かんだことであれば、どんなことでも構いません。整理して話す必要も、事前にまとめる必要もありません。(これはテーマを決めて話し合う通常のカウンセリングや、前回の振り返りや宿題の確認などを行う認知行動療法などとは大きく異なる部分です)
『自由に話す』ということは、実は非常に難しいことです。多くの方が戸惑われます。これは、話しにくいことや、人に話せない事柄から私たちが日々いかにこころの距離をとっているか、ということの証左でもあります。
こころの奥底には、自分でも気づいていない苦しみや生きづらさが複雑に絡み合っている場合が少なくありません。こうした、自分自身のこころの動きを見えやすくし、そして触れていくために「思いついたことを自由に話す」というかたちで面接を行います。
※1 クライアントがカウチ(寝椅子)に横になり、セラピストは枕元の見えない位置に座る、という設定で行う場合もあります。視線を交わさないのでより自由に連想しやすくなります。
― セラピストのかかわり ―
セラピストはクライアントの自由な語りに耳を傾け、じっくりと話を聴きます。そのうえで、セラピストはときおり、その場での体験(連想や情緒)に基づいて、何らかのクライアントに対する理解やコメントを言葉で行います。これは専門的には『解釈』と呼ばれます。
『解釈』とは基本的には、クライアントの『自己理解』を手助けすることを目指して行われます。クライアントがまだ十分に触れられていない情緒や思考、過去から現在への影響、そしてセッションの場でセラピストに対して感じている思いなど、さまざまなことに触れていきます。
クライアントが自由に話し、そしてセラピストが解釈を行う、このような交流を重ねることで精神分析的心理療法は展開していきます。
―面接の頻度や期間について―
フロイトが行っていた精神分析は、週6回の頻度で行われていました。しかし、それでは精神分析の価値を多くの方に提供することができなくなってしまいます。
そのため精神分析的心理療法は、基本的に『週1回』の頻度で行われます。ちなみに当オフィスでは、週3回までご相談に応じて増やすことが可能です。
この週1回の面接は同じ曜日と時間で行われます。つまり『毎週水曜日の19時から19時50分まで』のように、クライアントとセラピストの1週間のスケジュールのなかに組み込まれることになります。
面接をどれくらい継続するかについては、クライアントのご相談内容によって異なると言わざるを得ません。長年にわたる精神科的な症状や、自分自身の性格、生きづらさを改善することを目標に面接を開始された方は、多くの場合数年の年月をかけて取り組まれます。
精神分析的心理療法は、ある程度時間と費用がかかる取り組みです。スピード感や手軽さが重視される現在の社会状況とは、正直合わないともいえるでしょう。しかし、このような社会状況だからこそ、自分のこころや他者との交流にじっくりと向き合うことは、非常に大切な時間になると思います。
―おわりに―
精神分析的心理療法では、ここまで説明してきたように、『クライアントは決められた曜日・時間に来室し、思いつくことを自由に語り、セラピストは解釈を伝える』という営みを繰り返していきます。
面接を繰り返していくなかで、これまでの自分自身に対する認識が揺らぎ、不安な気持ちが生じることもあるでしょう。また、様々なコメントをするセラピストへ、さまざまな感情が喚起されることもあると思います。
クライアントとセラピストの間で、いろいろな思いや思考、揺らぎが生まれ、その変遷のなかでクライアントの変化が生じていきます。
心理カウンセリング
心理カウンセリングでは、お話をじっくりと聴かせていただきながら、臨床心理学的な理解に基づいて問題の改善・緩和を目指していきます。ご相談者の方と共に、対処法や解決法について相談・検討していくことになります。相談者の方の思考、認知、行動、対処パターンなどに具体的に助言や提案を行いながら進めていきます。
心理カウンセリングの頻度や期間は、相談内容によって異なります。頻度については、相談内容に応じてこちらから提案も致しますが、ご相談者の方と検討して柔軟に対応致します。
※カウンセリングの頻度について詳しくはこちらをご覧ください。ブログ「カウンセリングの頻度について」
初回面接からの流れ
初回面接
お困りのことについて詳しく聴かせていただきます。その上で、当オフィスのサービスやカウンセリングがお役に立ちそうか、お役に立てるとしたらどのような方針で望むことになりそうか、この時点での見立てを共有します。他の機関や当オフィスでは実施していない心理療法の方が特に適していると判断できる場合には、その理由とともに他機関の紹介や検索方法についてご説明致します。
アセスメント面接(1回~4回)
ご問題の内容についてより詳しく聴かせていただきます。相談者の方の生育歴や家族歴についてお話していただく場合が多いです。数回の面接を経て、問題に対する臨床心理学的な理解や具体的な目標設定、今後の面接頻度などについても話し合います。この段階である程度の自己理解を得て、一度終結される方もいらっしゃいます。
継続面接
設定された目標に向けて、具体的な対処や介入を行っていきます。対処や介入の結果はどうかを検討しながら、さらに面接を継続していきます。途中、目標が変更になることや、方針を変更する場合なども面接の中で話し合います。
終結・フォローアップ
目標が達成できたり、ご相談者の方が満足された段階で終結について話し合います。間隔をあけてフォローアップの面接を設定する場合もありますし、そのまま終結になる場合もあります。