カウンセリングについて

 
当オフィスでは二種類の心理臨床サービスを提供しています。

 ここ数年、心理職へのニーズが高まる中、様々な心理サービスが社会全体の中に溢れています。

 カウンセリングというと多くの人は「話を聴いてくれる」ということをまずは思い浮かべるかと思います。話を聴くという点については確かに様々な心理サービスに共通していますが、実際は心理士が依拠しているアプローチや理論によって、「聴き方」や「何を重視して聴くか」、「どのような方針で臨むか」などが異なります。

 そして精神分析的心理療法、来談者中心療法、認知行動療法、行動療法、箱庭療法、イメージ療法、ユング派の心理療法、EMDRなど、各種アプローチによって様々な違いがあります(もちろん共通点もたくさんあります)。

 しかし、それぞれの心理療法・アプローチを提供するには多くの訓練や研修が必要であり、一人の心理士が全てをカバーしているわけではありません。ここで全ての心理療法の特徴をお伝えできればよいのですが、それは難しいので、私が専門としているものについてお伝えいたします。

 当オフィスで提供しているサービスは以下の2種類になります。

< 心理カウンセリング >

 心理カウンセリングは臨床心理学的な理解に基づいたアプローチになります。

 心理カウンセリングではお話をじっくり伺いながら、臨床心理学的知見に基づいて問題解決や問題行動・症状の緩和・改善に取り組みます。心理カウンセリングでは精神分析的・力動的な理論に依拠しながらも、認知や行動に対してのアプローチ、心理教育や助言、環境調整・マネージメントなど、様々な技法を用いながら面接を行っていきます。

 話すことで問題が整理されたり、話す中で気づきが得られたり、心理士からの助言を取り入れて実践してみたり、自己理解を深めつつ様々なことを行いながら問題解決を目指します。

< 精神分析的心理療法 >

 精神分析的心理療法とは、人の「無意識」と「情緒的な接触」を重視するアプローチです。

 私たちは自分自身について多くのことを知っています。しかし、同時に多くの知らない部分も持ち合わせています。自分自身の行動や言動、振る舞いであるにも関わらず「なぜ?」、と自問したことが誰でもあるのではないでしょうか。

 現代では感情のコントロール方法や怒りのコントロール方法、対人関係における対処術、ストレスをためない方法など様々なテクニックに関する書籍やセミナーが溢れています。こうしたものは主に「意識」に働きかけるものであり、意識的にテクニックを「学ぶ」ものです。こういったテクニックを取り入れることで「社会」に「適応」しやすくなるということは多くあると思われます。

 一方で生きにくさや心理的な悩み・苦しみには、なぜ生じているのかわからないものや、頭ではどうすればいいかわかっているつもりでも改善されないもの繰り返してしまうものなどがあります。また、周りの人からは「社会」に「適応」していると思われていても、ご本人的には内面的な苦しみを抱えているということもあるでしょう。そして、一般的な「助言」や「アドバイス」ではこれまで変化や改善が得られなかったという方もいると思います。

 こうした問題の背景には、自分自身が意識・自覚できていない何らかの「とらわれ」「関係性・捉え方の偏り」「目を背けている考えや情緒」などが存在している場合があります。こうした「とらわれ」は人生の早期の段階から生じていたり、ネガティブな側面と共に一部その方の助けになる側面を持っていたり、複雑な成り立ちをしています。

 精神分析的心理療法は、このような自分の知らない自己部分に出会い、その「とらわれ」から自由になることを目指すアプローチになります。そして、こうした「とらわれ」に出会うためには「他者」との接触、特に情緒的な接触が必要だと考えます。専門家と接触する中で自分自身の情緒や感覚について知り、変化していくことを目指します。自分自身の根本的な変化を求めていくアプローチになるため、個人差はありますが、ある程度時間かけて取り組んでいくことになります。
 
 こうした専門的な作業を行う私たち自身も、精神分析的心理療法を受けることがトレーニングとして取り入れられています。専門家である私たちも当然のことながら、自分の無意識的なことを知るためには他者との接触を必要としているためです。

 面接は週に1回ないし2-3回で設定し、カウチ(寝椅子)に横になり、自由連想法を用います(当オフィスではカウチはまだ取り入れていません)。

 面接頻度が多いように感じられるかもしれませんが、もともと精神分析はフロイトによって週6回で開始され、現在でも国際基準としては週4回以上を精神分析、それ以下のものを精神分析的心理療法と呼んでいます。
 習い事にしても、人と深く付き合う場合にしても、会う頻度というものがそのもの(人)を深く体験するために非常に重要な要素になることは、お分かりいただけるのではないでしょうか。精神分析的心理療法はそういった意味で非常に濃密な時間を過ごす営みであり、ハウツーを学ぶといったものとは大きく異なります(もちろんハウツーにはハウツーの良さがあります)

 自由連想法とは、その場で思いつくことを出来るだけそのまま自由に話していただく方法です。こうすることで、できるだけ社会的でも公的でもない自分自身の声に向き合っていくことになります。様々な情緒を体験することになり、不安や辛さを感じることもあるかと思います。しかし、そうした時間が自分自身を知り、本質的に変わっていくためには重要なものになります。

 精神分析的心理療法を取り入れるかはアセスメント面接や初回面接の中で話し合って決めていきます。お金や時間がかかりますし、ご相談にいらした状況によってはすぐ始められない場合もあります。
 ご希望の方は申込時にその旨、お知らせください。もちろんカウンセリングがある程度進んでから、精神分析的心理療法に取り組まれる方もいらっしゃいます。