精神分析的臨床研究会

 精神分析は週4回以上の頻度で行われる自由連想法、カウチ設定を基礎に置く実践ですが、その実践から生み出される様々な概念・理論は、私たちの週1回ないし低頻度設定の臨床実践にも役立つことが多くあります。
 
 精神分析的臨床研究会は精神分析の知見を共に学ぶこと、様々な臨床現場でその知見を活かすこと、臨床事実を精神分析的・力動的な視点で理解することを目的に2016年度からスタートしました。誰かを指導的な立場に置くのではなく、それぞれの心理士が各々の課題や関心を持ちより、自由に議論を行っています。研究会の前身である古典論文輪読会を2012年度から開始し、フロイト、クライン、ウィニコットなどの主要論文を輪読したあと、2016年度より現在の形になっています。
 
 月に1回、(主に第2)土曜日の19時30より2時間の枠でレンタルルームor当オフィスにて研究会は行われています。料金はレンタルルームや資料コピー代の実費のみです(数百円程度)。 

 それぞれの月の発表担当者は自身の関心や課題などに基づいてプレゼンを行い、議論・検討が行われます。主にケース検討、論文の精読、特定の概念についての検討などの形を取ることが多いかと思います。また学会発表や論文執筆における検討の場としても活用することもあります。 

 参加者は臨床心理士等の資格取得後2~3年目の方から15年~16年目くらいの方まで幅広くいらっしゃいます。働かれている場も当オフィスのような開業設定の方から、スクールカウンセラー・教育相談所・学生相談などの教育機関、精神科クリニック・総合病院などの医療機関、児童養護施設・児童相談所などの福祉領域、産業領域の方など様々です。

【過去に取り上げられたテーマについて】
〇週1回の精神分析的セラピーについて考える
〇「見るなの禁止」再考
〇マイケル・バリント「治療論からみた退行」を読む
〇ケイパーの「変化をもたらす解釈をすることの難しさについて」を読む
〇パーソンズの「精神分析的プロセスに対する分析家の逆転移」を読む
〇治療構造論について
〇トラウマケアの精神分析的理解について
〇各機関で行われたケースを力動的に検討する
など