面接の頻度について

 カウンセリングを継続して行っていく場合に重要なこととして、「面接の頻度」が挙げられます。カウンセリングにはどれくらいの頻度で通えばいいのか、ということは多くの方が疑問を持たれることかと思います。今日はそのことについて書いてみたいと思います。

 「精神分析」を創始したフロイトは当初週6回の頻度で面接を行っていました。現在は週4回以上が精神分析の国際基準となっています。日本精神分析協会の精神分析家が提供する精神分析はこうした頻度のものになります。かなり多いように感じるかと思いますが、その分、深く濃密な時間を持つことができます。

 当オフィスで提供している精神分析的心理療法は週1回50分が基準となります。
一般的な心理カウンセリングについては「週に1回」、「隔週に1回」、「月に1回」、「必要に応じて」の主に4パターンがあると思います。これらの頻度をどのように使い分けるかはその心理士の考え方にもよりますし、働いている場にもよるでしょう。

 面接頻度は主にクライアント様がどういった目的でカウンセリングを利用されるかによって決まってきます。対人関係やご自身の性格、過去からずっと苦しんでいる問題など、長期的かつ内面的な問題である場合には「週に1回」の頻度をこちらから提案することが多くなるかと思います。これは頻度が増えるほどに社会的・公的ではない、より個人的で無意識的なことに向き合いやすくなると考えるからです。
 一方で焦点化・限定化されたご相談であれば、「隔週に1回」の頻度で行うことを提案することもあるでしょう。

 「月に1回」や「必要に応じて」という頻度については、基本的にはカウンセリングが終結に至ったあとや、相談事がある程度改善に向かったあとのフォローアップや経過観察的な面接を行う場合に用いることが多いと思われます。
 カウンセリング開始時から月1回という頻度で行うことは非常に難しいと私自身は感じています。相当に問題が限局化されている場合や、ある程度ご自身で対応しているが、専門家から少し異なる視点の意見も欲しいという場合など、いろいろな条件が整った場合には可能かもしれません。

 

 現在は、カウンセリングの形も多様化しています。重要なことはどういった機関でカウンセリングを受けるにしても、カウンセラーと頻度やアプローチについて十分に話し合うことだと思います。


2020年10月28日